育毛剤の成分でよく見る「ジフェンヒドラミン」。これは具体的にどのような育毛効果をもった成分なのでしょうか?
そこで塩酸ジフェンヒドラミンの育毛効果や副作用について詳しく調べてみました。
この記事の目次
塩酸ジフェンヒドラミンとは。どんな育毛効果がある?
塩酸ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン作用のある成分です。抗ヒスタミンとは「ヒスタミンの働きを抑える」作用のことを指します。
では、ヒスタミンが活発になることで頭皮にどんな影響が出るのでしょうか?まずはヒスタミンの作用から見ていきましょう。
育毛効果の前にヒスタミンって何?
ヒスタミンは血圧を下げたり血管を拡張させたりする作用のある、アレルギー反応や炎症に関わる物質です。
他に神経伝達物質としての役割もあり、不安や緊張を和らげるホルモンであるオキシトシンを分泌したり、しっかりと意識をもたせたり、満腹中枢を刺激して食欲をコントロールしたりする作用もあります。
そのため、最近ではダイエット効果がある物質としても話題になっています。
ヒスタミンは何からできる?
ヒスタミンは食材から摂取したり、体内で合成されたりします。ヒスタミンは肉類や魚類にたくさん含まれています。そして必須アミノ酸の一種であるヒスチジンからも合成されます。
つまり、肉や魚をたくさん食べることで体内のヒスタミンの量が増えるということです。また、ヒスタミンは細胞の中に蓄えられ、普段はひっそりと細胞内に存在しています。
そして外的な刺激を受けたときに活性化し、赤みや腫れなどのアレルギー症状を引き起こします。
ヒスタミンを摂りすぎると食中毒が起こる
ちなみにですが、食材からヒスタミンを100mg以上摂取すると「ヒスタミン食中毒」を起こす可能性が高まるそうです。
これはヒスタミンが関わるアレルギー反応とは関係ありません。しかし同じような赤みや腫れ、ブツブツがあらわれ、嘔吐や下痢など典型的な食中毒反応が起こります。
【参考元:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/】
塩酸ジフェンヒドラミンの育毛効果
ヒスタミンは神経伝達の役割などがあり、私たちの体になくてはならない物質だと言えます。ただそれが過剰に生成されることで、炎症やアレルギーの反応が出てしまいやすいようです。
その炎症反応は頭皮も同じこと。つまり抗ヒスタミンとしての役割がある塩酸ジフェンヒドラミンには・・・具体的な育毛効果が見えてきましたね。
塩酸ジフェンヒドラミンの育毛効果 ①頭皮の炎症を防ぐ
塩酸ジフェンヒドラミンは、炎症やアレルギー反応に関わるヒスタミンを抑制する働きによって、炎症反応を鎮める作用があります。
頭皮に炎症が起こる理由はつぎのようなこと。
- 頭皮への直接的な刺激によるもの
- 頭皮が乾燥して起こるもの
- 皮脂の分泌量が多くて起こるもの
- アレルギー反応によるもの
たとえば毎日行っているシャンプー。頭は指の腹を使ってもむように洗うのが正解ですが、爪を立ててシャカシャカとこするように洗ってしまうと、頭皮に傷がつき炎症につながります。
そして頭皮が乾燥すると肌のバリア機能がくずれ、髪の分け目にあたる紫外線や雑菌などの影響を受けやすくなりますし、皮脂の分泌量が多いと頭皮に存在する常在菌が大繁殖して脂漏性皮膚炎を引き起こします。
炎症は本来、体に起こる異常を知らせるための大事な防御反応です。しかし日常生活の刺激にまで過剰に反応されては困りますよね。そんな軽い炎症やアレルギー反応を鎮めてくれるのが塩酸ジフェンヒドラミンなのです。
塩酸ジフェンヒドラミンの育毛効果 ②頭皮の血行促進
塩酸ジフェンヒドラミンには血行を促進する作用もあります。頭皮の血行促進は抜け毛を防ぐ上でとても重要なファクターです。
髪の毛は毛根にある毛母細胞が分裂することで成長します。毛根には毛乳頭があり、毛細血管とつながることで血液中の栄養を受け取り毛母細胞へ届けています。
つまり、頭皮の血流が良くなると毛細血管にまで充分な量の血液が流れこみ、髪の毛にとって大事な栄養を届けやすくなるのです。
塩酸ジフェンヒドラミンの副作用
基本的に塩酸ジフェンヒドラミンを頭皮につける場合は副作用の心配はありません。ただ、塩酸ジフェンヒドラミンは育毛剤やシャンプー以外に、風邪薬や動物の酔い止め、睡眠薬などの内服薬としても使われています。
内服薬として塩酸ジフェンヒドラミンを摂取したときに、副作用として眠気が起こることがあります。
つまり、炎症を鎮めるためにヒスタミンを抑えた結果、神経伝達作用まで抑制してしまい、眠気が出たり、意識がぼんやりしたりするのです。ちなみにこの副作用を利用して作られた薬が睡眠薬や酔い止めの薬です。
薄毛に多い頭皮トラブル
薄毛の人は頭皮に問題を抱えているケースが多い気がします。つい最近のことですが、普段からよく行くコンビニで、店員さんの頭皮に赤いブツブツができているのを発見してしまいました。
自分の頭皮は自分の目で見えませんが、何かかゆいと思ったら頭皮に炎症が起きているのかもしれません。そんなときは無意識に掻きむしってしまいがちです。でもそうすると頭皮が傷つき、さらに炎症が広がるおそれもあります。
塩酸ジフェンヒドラミン入りのかゆみ止め
塩酸ジフェンヒドラミンはかゆみ止めの塗り薬にも使われています。その中の代表的なものがレスタミンコーワ軟膏です。第三類医薬品としてドラッグストアで購入できる市販薬で、価格も安いのでお財布にも優しい軟膏です。
あまりにも頭皮がかゆいときは、かゆみ止めを塗ることで軽減されるでしょう。かゆみを我慢するのは結構しんどいです。炎症が軽い場合はこうした塗り薬に頼ってみるのも案外良いのかもしれませんね。
育毛を邪魔する頭皮トラブルの原因を探って
塩酸ジフェンヒドラミン入りのかゆみ止めでかゆみが治まったあとは、頭皮トラブルの原因を探ってみてください。トラブルのもとを治さないと、同じような炎症をくり返します!
たとえば、脂性肌であれば皮脂コントロールのために脂っこい食事や甘いものを控え、脂肪をエネルギーとして消費できるように運動を心がけることが大事です。
乾燥肌の場合はこまめな水分補給をして体内のうるおいを保ち、洗浄力がやさしいアミノ酸系シャンプーで洗う、育毛ローションで保湿するなど頭皮を乾燥させないことが大事です。
そんな風に自分の体質を把握し、頭皮トラブルを防ぐための工夫をしてみてください!
塩酸ジフェンヒドラミンの育毛効果まとめ
塩酸ジフェンヒドラミンはアレルギー反応や炎症に関わるヒスタミンをブロックすることで炎症を鎮める成分だということが分かりました。
育毛としては、頭皮の炎症を抑えて血行を促進する効果が期待できる成分です。
内服薬だと眠気や頭がぼんやりするなどの副作用が起こりますが、育毛剤に配合されている塩酸ジフェンヒドラミンには副作用の心配はありません。安心して育毛できる成分だと言えるでしょう。