フィンペシアがジェネリックではない理由
ジェネリック医薬品って何?
ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品の特許が切れることで製造可能となった医薬品のこと。先発医薬品と有効成分が同じで、用法用量や効果効能も基本的に同じです。
メーカーから見れば、研究開発にかかる費用が低く抑えられるということと、ジェネリック用の簡略化された審査で製造販売できるというメリットがあります。購入者にとっても、医薬品が安く購入できるので、とてもありがたいですね。
日本では2015年から政府方針により、ジェネリック医薬品を奨励してくことが決まりました。今後ますます、ジェネリック医薬品は身近なものとなっていくでしょう。
プロペシアはまだ特許が切れてない?
プロペシアの特許は、おそらくまだ切れていません。
特許の存続期間は出願日から20年間。さらに日本では、医薬品などに限って特別に最大5年間延長できます。プロペシアの特許についても、5年間まるまる延長されているので、特許存続期間は25年間とみて間違いないでしょう。
プロペシアの特許権を持っているのは、MSD社の親会社であるメルク社(メルク・アンド・カンパニー社)。プロペシアに関する、とある特許の出願日が1994年で、少なくとも特許が切れるのはそこから25年後の2019年以降。
したがって2016年の段階では、日本でプロペシアの特許はまだ切れてないので、製造することはできないはずです。
フィンペシアの製造国はインド
日本ではプロペシアの特許が切れていないので、プロペシアのジェネリック医薬品は製造できないはずです。しかし、海外では話が違ってきます。
フィンペシアの製造国はインド。実はインドでは、海外で特許が切れてない医薬品でも、製造できてしまう場合があります。その原因は、他国とは少し違うインドの特許制度にあります。
医薬品の特許には大きく分けて、物質特許と製法特許がありますが、かつてのインドでは物質特許が認められていませんでした。そのため特許成分であっても、製法を変えてしまえば、製造できるという仕組みになっていました。
これはプロペシアにも当てはまり、インドではフィナステリドをAGA治療薬として使う特許を取得できなかったのだと思います。プロペシアの物質特許が無いのであれば、製造方法を工夫するだけで、合法的に製造できるということです。
このような理由から、インドでは特許が切れる前から医薬品が製造が可能となっていました。つまりフィンペシアの正体は、インド国内で合法的に製造されたフィナステリド医薬品。有効成分も効果もプロペシアと基本的に同じものです。
ファイザー社のジェネリックは?
インドではプロペシアと同じような医薬品は製造できますが、日本ではまだ特許が切れてないので製造販売できません。
しかし、2015年にアメリカのファイザー社が日本で、プロペシアジェネリックの販売を開始しました。日本でプロペシアの特許が切れるのは2019年以降のはずなので、本来であればプロペシアのジェネリックは販売できないはずです。
では、なぜ?ファイザー社は、プロペシアのジェネリックを販売できるのでしょうか。
それは、オーソライズドジェネリックという制度を利用したのだと考えられます。オーソライズドジェネリックとは、特許権者から特別に許可をもらって製造販売するジェネリック医薬品のことです。
【出典元:http://www.daiichisankyo-ep.co.jp/generic/authorized/】
オーソライズドジェネリックは、特許が存続していてもジェネリック医薬品のような簡易的な審査で製造販売できるなど、色々な特典があります。
また、通常のジェネリックは、元の医薬品と完全には同じというわけではないのですが、オーソライズドジェネリックの場合は、完全に同じ医薬品となります。
おそらくファイザー社は、プロペシアの特許権者であるメルク社と、オーソライズドジェネリックの契約したのではないでしょうか。
このような背景から、特許が存続しているはずなのに、日本でプロペシアのジェネリックが販売できるのだと思います。
【参考元:http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2015/2015_02_20.html】
フィンペシアのデメリット
インドで作られたジェネリックっぽい医薬品、フィンペシア最大のメリットは価格の安さですね。
- プロペシアは、1錠あたり174円ほど
- フィンペシアは、1錠あたり28円ほど
フィンペシアなら、プロペシアの1/6程度の価格で購入可能です。
フィンペシアがこれだけ安ければ、プロペシアをわざわざ選ぶ必要はなさそうですよね。しかし、フィンペシアにはデメリットも存在しているため、価格の安さだけで選ぶのは危険です。
フィンペシアのデメリットは2つありますので、それぞれ詳しく紹介していきます。
フィンペシアの添加物が心配
1つ目は、錠剤の安全性です。プロペシアなどの錠剤には、有効成分以外にも多くの添加物が使われています。
この添加物には、有効成分を保護することや、吸収速度を調整するなどの役割があり、薬の効き目に重要な働きをしています。添加物にはメーカー独自のノウハウや技術が詰まっており、簡単に真似できるものではありません。
フィンペシアの有効成分は、錠剤全体の0.05%(1mg)だけです。残りの99.5%(199mg)は添加物。そのため、フィンペシアの添加物はプロペシアと違っている可能性が高く、有効成分の効きもプロペシアとは違っているかもしれません。
フィンペシアは偽物が出回っている
2つ目は、フィンペシアの偽物が出回っている可能性があること。プロペシアなどの有名医薬品に偽物があるのはもちろんのこと、フィンペシアも人気が高いため偽物が流通している可能性があります。
偽物の医薬品は、有効成分が入っていないだけではなく、有害な成分が混入している場合も多いです。このような偽物を誤って服用してしまうと、重大な障害が発生してしまうこともあり、フィンペシアの購入には注意が必要。
個人輸入で医薬品の偽物を購入してしまう件数は年々増加しており、10年前の100倍にもなっています。
100倍?!怖すぎ。
小規模な個人輸入代行サイトでは、偽物を掴まされるリスクが高く、もし個人輸入するなら、大手の実績があるサイトでなくてはいけません。
まとめ
フィンペシアは、プロペシアに比べてとても安く購入できます。しかし、フィンペシアは個人輸入でしか購入できないため、偽物を掴まされるリスクがあります。
このようなリスクを侵したくないなら、正規のプロペシアを購入するのが安全です。その場合、個人輸入ではなく、AGAクリニックで処方してもらうのが確実です。
しかも、AGAクリニックならプロペシアだけではなく、リジンやビタミン類、亜鉛などを混ぜた、より高い効果が期待できるオリジナル医薬品を処方してもらえます。
もちろん血液検査を定期的に行い、体への影響を管理しながら処方してもらえるので、より安全性に使用できます。