ミノキシジルの副作用で低血圧になる原因

ミノキシジルの元々の作用

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ミノキシジルといえばAGA(男性型脱毛症)の救世主。AGAで悩んでいる人で知らない人はいないでしょう。その発毛効果は、使った人の9割に及ぶとも言われます。薄毛を気にしている誰もが飛びつきたくなりますが、「低血圧になる」という副作用があることを知っているでしょうか。

ミノキシジルといえば、日本で医薬品として発売されている「リアップ」で有名ですよね。このミノキシジルという成分、もともとは血圧を下げる薬として開発されていまいた。

錠剤の治験の段階で、ミノキシジルを使った人の体毛が濃くなる傾向があったことから、現在は育毛剤として商品化されています。

ミノキシジルの元祖はジョンソン&ジョンソンの「ロゲイン」という商品です。ミノキシジルが5%含有されており、1980年頃の発売ですからもう35年以上も歴史のある古い薬です。いまだに人気があるわけですから、やはりAGAに効き目は抜群なのでしょう。

リアップX5はロゲインのジェネリック医薬品のようなイメージです。

血管を広げるから低血圧に

しかし、ミノキシジルはもともと血管を拡張する働きがあるのです。血管が広がれば、当然として血圧は下がります。川の幅が広がれば、流れはゆるやかになるのと同じ。

ミノキシジルの副作用で低血圧になるのは、その効果で下がりすぎてしまうということです。「高血圧がよくない」ということはご存知の方も多いと思いますが、低血圧もよくありません。低血圧とはどのような状態かと言うと、「血液の流れる勢いが弱い」ということ。

低血圧から起こる主な症状

具体的な症状と原因

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具体的には、以下のような症状が現れます。

  • めまい、たちくらみ
  • 朝起きられない、疲れやすい
  • 末端の冷え、肩こり、頭痛
  • 心臓がどきどきする、胸痛

低血圧になると、血流に勢いがなくなるので、全身に十分な血液が回らなくなります。その結果、細胞が十分な酸素や栄養を受け取れず、老廃物がたまりがちになります。

脳へのダメージが大きい

低血圧になって一番最初に影響がでるのは、脳です。人間は起立している時、脳が一番上にあります。重力で血液が下にいくので一番上にある脳が最初に血液が回らなくなるのです。ですから最初にあらわれる症状はたいてい「めまい」「立ちくらみ」です。車の運転中とかはホントに危険です。

また、細胞が酸素や栄養を受け取れなければ「冷え」が起こったり、「疲れ」がたまったりするのは容易に想像できると思います。ミノキシジルを使って、その程度の副作用なら問題ないと思うかもしれません。しかし、血圧が異常に低くなると、多臓器不全になってショックを起こし、命にかかわる場合もあるのです。

高血圧の人もミノキシジルの服用は注意!

高血圧でAGAの人が、ミノキシジルを使用すれば、もともと血圧を下げる薬なのだから一石二鳥なのでは?と考えるかもしれません。しかしそれは安易な考えです。

長年ミノキシジルを使っていた人が、経済的理由か、あるいは別の育毛剤に興味をもった等の理由で、止めたとしましょう。ミノキシジルのおかげで基準値内におさまっていた血圧が、急に高くなることが考えられます。

すると心臓への負担が急激にかかり、心筋梗塞になったり、脳卒中を発症したりと危険な状態に陥る可能性もあるのです。もともと高血圧を認識している人は、使うのにも止めるのにも注意が必要です。

また病院から高血圧の薬をすでにもらっていて服用している人は、ミノキシジルの併用でさらに血圧が下がることも考えられます。なんとなく不調だなと感じたら、低血圧を疑ってみてください。

リアップの副作用でもありうる血圧関連

リアップの説明書には、以下のような記載があります。

使用上の注意として、
「頭皮にのみ使用し、内服しないこと。血圧が下がる等のおそれがあります」

医師や薬剤師に相談することとして、
「高血圧の人、低血圧の人。血圧に影響を及ぼす可能性が考えられます」

副作用として、
「頭痛、気が遠くなる、めまい、胸の痛み、心拍がはやくなる」

血圧関連で注意すべきことが多いという現状を、メーカーも認めているというわけです。

まとめ

ミノキシジルは発毛効果が高いと言われているだけに、その効果にのみ目がいきがちですが、どんなリスク(副作用)があるかを知っておくことが重要です。

ミノキシジルは血圧への影響が大きいだけに、長年使い続けることによって、副作用が出ないにしても、血管の老化を早めることになりそうです。

薬局やインターネットで手軽に購入できるミノキシジルですが、軽い気持ちでの購入は控えたほうが良いでしょう。