プロペシアを服用してEDになる確率は?
1000人中100人は多いか少ないか
プロペシアを服用するとEDになる?プロペシアを試してみようと思っている、あるいはすでに服用している人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
実際、プロペシアの添付文書にはEDについての臨床試験データが記載されています。
48週間、プロペシアとプラセボ(偽薬)のいずれかを服用してもらったら、276例中、リビドー減退(簡単に言うと性欲が低下すること)が3例、勃起機能不全が2例いたとのこと。
276例中5例ですから、わずか1~2%、といえば低い確率かもしれません。
しかし、その1~2%にあなたが入ってしまうかもしれませんし、実際のクリニックでプロペシアを投与している医師の中には「1割くらいの人がEDを訴える」という感覚の人も多いようです。
1割でも少ない!と思うかもしれませんが1000人のプロペシア服用者がいたら、100人は薬の副作用でEDになってしまいます。1%でも10人です。確実に男性機能に支障をきたしている人が、一定の割合でいることは事実なのです。
勃起不全(ED)だけではない機能障害
その他にも、確率は高くありませんが、生殖器に関する副作用として、睾丸が痛くなる、男性不妊症、精液の質が下がる(無精子症等)、精液の量が減る、射精障害も報告されています。
不妊治療をしている夫婦の約1/3は男性側に原因があると言われていますから、不妊治療をしている夫婦であれば、プロペシアは安易に服用しないほうが良いでしょう。
EDになってしまうプロペシア以外の原因
EDになる3つの原因
そもそもEDになる原因は大きく3つあります。
- 器質性ED
- 心因性ED
- 薬剤性ED
器質性EDとは、臓器や組織に原因があるEDです。簡単に言うと、加齢や高血圧などの持病を持っていて血管が老化していると、勃起するのに必要なだけの血液が十分いきわたらなくなってEDになる。血管(臓器)に原因があるというものです。
心因性EDとは体の機能に原因があるのではなく、心理的なことに原因があるEDです。職場の人間関係のストレスや家族の悩み、そういったことが原因でEDになります。
薬剤性EDとは、言うまでもなく薬による副作用が原因でEDになってしまうことです。
ほとんどは心因性EDという見方
プロペシアを服用してEDになる確率はそれほど多くありませんが、それでも現場の医師は「1割くらいの患者さんが訴えていると感じる」と説明しました。それは薬剤性EDではなく、心因性EDかもしれません。
「プロペシアを服用するとEDになるらしい、自分もEDになったらどうしよう」という思い込みやストレスで、EDになってしまうのです。
そして、次の日も勃起しなかったらどうしよう、服用する前のように性欲がわかなかったらどうしよう、と負のスパイラルに陥ってしまうのです。
それを裏付ける臨床データがあります。
心因性EDの厄介さ
24歳から50歳の男性型脱毛症患者414人をプロペシア服用者とプラセボ服用者に分け、48週間飲んでもらったところ、性機能に関する副作用はプロペシア投与群で2.9%、プラセボ群で2.2%に認められたのです。
つまり、プロペシアを飲んでも飲まなくてもEDになる人の割合はほぼ変わらないということです。しかし、心因性EDは、薬剤性EDよりもやっかいです。
薬剤性ならば薬を中止すればEDから開放されます。心因性は精神的なものなので根が深いです。治療にも時間がかかります。EDになりたい人なんて誰もいません。自分もEDになるかも?とビクビクしながらプロペシアを飲み続けるのは、いずれ苦痛になってしまいそうです。
プロペシアの服用を中止しても続くED副作用!
添付文書に書かれている内容
結局プロペシアでEDになるかどうかは、服用してみないとわからないことですが、「リビドー減退」については、ものすごく恐ろしいことが添付文書の中に小さく書かれています。
それは「プロペシアを服用してリビドー減退がおこり、服用を中止した後もそれが持続した人がいる」という一文です。
プロペシアの特異性
一般的に、薬を中止すれば副作用はなくなります。しかし、プロペシアを中止したのに性欲低下が続いた例もあるよと、メーカーが認めているのです。
どのくらい続いたかは別の記事で書きますが、人によってさまざまです。あなたは半年かもしれませんし、5年かもしれません。
プロペシアは止めてしまうともちろん効果がなくなります。順調に髪が生えてきた(正確に言えば抜け毛が減った)としても、性欲がなくなって服用を止めざるを得なくなったとしたら。
薄毛に戻ってしまい、かつ性欲がなくなったままずっと過ごさなければらないという可能性もあるのです。そう考えるとちょっと恐ろしくなりませんか?