ミノキシジルと同じく効果が評価されているフィナステリドには、女性が使うと胎児に奇形が起こる可能性があるとされます。
同じ育毛剤のミノキシジルは大丈夫なのかと心配する人もいます。本当に危険なのか、詳しく検討してみましょう。
この記事の目次
女性がミノキシジルに不安を感じる理由とは?
ミノキシジルはAGAに効果的で広く使われていますが、同じようなホルモンが関係する女性型男性型脱毛症(FAGA)があり、ミノキシジルはこれにも有効とされます。
このような薄毛の女性が育毛剤を使うにあたって、やはり気にするのが副作用です。中でも最も気になるのが、フィナステリドのような副作用でしょう。
フィナステリドが危ないからミノキシジルも危ない?
妊娠中にフィナステリドが女性の胎内に入ると胎児に異常が起こります。
男の赤ちゃんの性器に奇形が出たり機能が正常に発達しない可能性があります。使うのはもちろん、さわってもいけないとされています。この副作用は広く知られていて、女性にとって育毛剤は危険という認識が広まってしまいました。
ミノキシジルも育毛剤。何か危険な副作用があるのでは?
という不安を覚えるのも無理のない話です。実際にはフィナステリドとミノキシジルは作用が違います。同じようなメカニズムで胎児への影響が出ることはあまり考えられません。
じゃあ安全ってこと?
それでもミノキシジルが不安なのはなぜ?
ミノキシジルと女性への副作用との関係について、事実関係がはっきりしている点はあまりありません。大正製薬がリアップの使用上の注意として、成分が母乳中に移行すると書いている程度です。
他には、ミノキシジル関係の添付文書などにはどれも「妊娠中の女性に対する安全性は確認されていない」という意味の但し書きがあります。
安全性や危険性についての信頼性のあるデータは見当たらないのが現状です。
これでは不安に思いますね。安全だという根拠がどこにもないのですから。言い換えれば、何が起こるかわかりませんよと言われているのと同じことです。
ミノキシジルは母乳に移行する
ミノキシジルは女性の体に入った成分が、母乳に移行することが明らかになっています。
すると乳児へ何らかの形で作用することが自然に想像できます。そうすると気になるのが、作用や副作用が子供にも起こってしまうことです。
母乳を飲むような乳児は体が未発達です。そこへ低血圧や肝機能の低下などの副作用による悪条件が加わったら、とり返しのつかないことが起こるかもしれません。
ミノキシジルが安全な保証はない!
アメリカの食品医薬品局(FDA)による、薬物が胎児への危険性を及ぼす分類ではミノキシジルはCランクに分類されました。
動物では奇形や毒性の危険性や有害性が証明されましたが、ヒトについてはそれがない。あるいは両方とも証明がないというランクです。(※この分類は2015年6月にわかりにくいという理由で撤廃されました。)
このランクへFDAは次のように見解を示しています。
これはアメリカだけの話ではありません。国内でも「悪影響があることが証明されない限り悪影響はないとみなす」という推論がまかり通ってしまうのです。これは薬物に関する限り、たいへん危険な論理です。
この理屈通りに女性がミノキシジルを使うと、何がおこるかわかりません。
フィナステリドのような副作用が出る可能性さえ、ないとは言えないのです。それは取り返しのつかない結果になりかねません。外用育毛剤のリアップの使用上の注意書きにも、はっきりと女性は使用しないようにと書かれています。
影響の弱い外用剤でさえ危険なので、内服薬はなおさら危険。ミノキシジルは女性にとっては危険な育毛剤と言わざるを得ません。
ミノキシジルは男性不妊症の原因にもなる?
ミノキシジルの妊娠への障害として、男性側にもその可能性があります。
はっきりした副作用の可能性とか因果関係は証明されていませんが、性欲減退、性機能の低下がとりざたされています。この現象は妊娠を望む人にとっては重大なトラブルです。
妊娠するとかしないとかよりも、それ以前にセックスができるかどうかという基本的な問題です。
一部はフィナステリドとの混同もあるようですが、性欲減退などはけっこう耳にすることなので一概に否定しきれません。実際に起こっている事実ととらえ、起こる可能性のある危険要素として警戒すべきもののようです。
結局は危険?安全?
ミノキシジルはやっぱり要警戒だった!
ミノキシジルと妊娠、不妊についての関連性については、詳しく見ていけばいくほど情報は出てきます。ただ、決定的な危険性というものは見えてこないので、本当は何も関係がなくシロなのかなという気もしてきます。
でも、目線を安全性というところに置くと、ミノキシジルには女性にとって危険な可能性があまりに多くあります。
妊娠について危険性がない、その可能性もないという証明がされない限り安全とはいえません。妊娠はやり直しがきかないこと。君子危うきに近寄らず。
危険性が否定できない以上ミノキシジルは避けた方が無難です。リスクはできる限り排除したほうが良いでしょう。